筆記通訳サークル「虹」は何をしているの?
要約筆記とは
要約筆記の方法
要約筆記に関する問い合わせ
映画の字幕付け
虹の会員募集
「3泊4日、5時の鐘」字幕付け
<筆記通訳サークル「虹」は何をしているの?>
 聞こえない、聞こえにくい方々のために、話し手の内容を文字にして伝える方法を要約筆記といいます。その場の音声情報を文字情報にかえて聴覚障害者に伝えます。私たちのサークルではこの要約筆記の技術を学習し、その啓発、普及に努めています。
聴覚障害者のコミュニケーション方法としては、手話が良く知られています。しかし、聴覚障害者のすべての方々が手話を使えるわけではありません。要約筆記は、中途失聴者や難聴者など、主に、手話によるコミュニケーションが不十分な聴覚障害者のために、文章で情報を保障する方法です。手話と比べて、まだまだ社会的認知度が低い現状にありますが、要約筆記への理解が広がることで、要約筆記を利用する方々がより暮らしやすい社会になるよう願っています。
また、今年度は映画の字幕付けにも取り組んでいます。聞こえない方々は字幕がないと映画を楽しめません。誰もが一緒に映画を楽しめるように、音声に合わせて字幕を投影します。
様々な活動を通して、聴覚障害者との交流や会員相互の親睦を深めています。遠足や忘年会などもあります。皆さんもお仲間になりませんか。
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<要約筆記とは>
 要約筆記とは、聴覚障害者へのコミュニケーション支援方法のひとつで、話し手の内容を、その場で文字に表して聴覚障害者へ伝えるものです。主に、手話によるコミュニケーションが不十分な聴覚障害者のために、文章で情報を保障する方法です。
一般に、話す速さは、書く速さの数倍といわれています。話に遅れないで伝えるには、話された内容を要約しながら筆記するので、要約筆記と呼ばれています。
また、要約筆記は聴覚障害者の社会参加を保障するものです。同時性と内容の正確さ、読みやすさが求められており、これらは、要約筆記の三原則と呼ばれています。
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<要約筆記の方法>
要約筆記は手書きと、パソコンを使用する方法があります。どちらもスクリーンに投影する方法と直接見てもらう方法があります。
・ 聴覚障がい者が多数の場合
 手書きではOHPやOHCを使い要約筆記した文字をスクリーンやテレビに投影します。OHCではプロジェクターを使ってスクリーンに投影します。
パソコンの場合はパソコンに入力した文字をプロジェクターからスクリーンに投影します。
→写真はOHPで要約筆記をしているところです。
OHPの光から目を保護するために黒い眼鏡を掛けます。
・ 聴覚障がい者が1〜2名の場合
 聴覚障害者の隣で筆記します。この方法は手書きノートテイク、パソコンノートテイクと呼ばれています。
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<要約筆記に関する問い合わせ>
 聴覚障害者(障害者手帳をお持ちの方)は、障害者総合支援法により、茅ヶ崎市が行う派遣制度を利用することができます。私たちの「虹」では、茅ヶ崎市の派遣制度が利用できない場合に、ボランティアで要約筆記活動をしています。(交通費、消耗品代をいただく場合があります)
要約筆記派遣について詳しく知りたい方は、茅ヶ崎市障害福祉課(82−1111)または、「虹」までご相談ください。
<映画の字幕付け>
 2009年度の活動として、映画の字幕付けに取り組みました。映画は「ガラスのうさぎ」という日本映画です。第二次世界大戦で両親を失いながらも懸命に生きる少女の話です。原作は高木敏子さん。
字幕作成にはパソコンやプロジェクターなど多くの機材が必要です。それらを借りて準備し、映像や音声と字幕の調整をするために、何度も打ち合わせを重ねてやっと完成しました。字幕付けを希望された聴覚障害者からも「良かった」との声をいただきました。
また2018年度には虹の30周年記念事業として、「3泊4日、5時の鐘」の字幕付き映画上映会を開催しました。茅ヶ崎の老舗旅館「茅ヶ崎館」を主な舞台として、様々な茅ヶ崎の夏の風景を織り込みながら描かれたラブストーリーです。寒川町出身の三澤拓哉監督のご協力をいただいて、虹で字幕を作成し、また茅ヶ崎市の2018年度げんき基金の補助金を受け、7月にラスカ6階ホールで2回の上映会を行いました。監督や関係者のトークショーも同時に開催し、聴覚障害者、健聴者がともに楽しむ上映会となりました。
<虹の会員数>
平成31年4月現在の会員は22名
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<虹の会員募集>
 要約筆記について興味のある方は、どなたでも会員になれます。聴覚障害の方も会員となっています。入会ご希望の方は社協までご連絡ください。
筆記通訳サークル「虹」の活動
※ 発 足 1988年
※ 例 会 ・第1・4木曜日、第3火曜日の10時〜12時
・茅ヶ崎市社会福祉協議会ボランティアルーム(第1,第2)
・活動日が変更になる場合もあります。見学される場合には事前にご連絡ください。
※ 連絡先 茅ヶ崎市社会福祉協議会
       TEL 0467−85−9650   FAX 0467−85−9651
<「3泊4日、5時の鐘」字幕付け>
 字幕を作成するにあたり、不可欠なものが2つあります。
1つめは映像です。映像を見ながら音起こし。誰がなんと言っているかの台詞を文字にします。他にもバックに流れている音楽や鳥の鳴き声、目覚まし時計の音、風の音、そして市内に響く5時の鐘の赤とんぼのメロディーなど、耳から入る情報を全て文字にします。
 次に起こした文字を、字幕用のスタイルに作り直し、映像に合わせて映し出してみて
読み切れる文字数か、フリガナが必要か、助詞が文頭に配置されていないか等々細かい点のチェックを繰り返します。数え切れない回数チェックするので、1週間もすると、すべての出演者の台詞からイントネーションまで頭に入ってきます。役者さんの影武者ができそうなほどです!
 そして、不可欠な2つめ。それは字幕を実際に利用される聴覚障害者の方々のご意見です。
聞こえる私たちが作る字幕は、耳からの情報で補われている箇所もあり、聴覚障害者の方から頂いたご意見に、「なるほど!」と思うことが多々あります。
例えば、こんなことが。
母/しゅう きょうちゃん 帰るよ
お母さんが2人の子どもを呼ぶシーン。これを見た利用者の方が、「しゅうきょうちゃん」という名前なの?と。呼ぶ声から文字にすると当然子どもの名前の文字は分かりません。でも読んで分かりやすいように、字幕では漢字を用いるなど工夫をしました。また、女性2人が激しく言い合うシーン。早口でまくし立て、すべてを文字にするととても読み切れません。どうしたものか…と考えていたところ、利用者さんからの一言。何を言っているかわからなくても、若い娘が丁々発止とやり合っていることが伝わって面白いと。
 なるほど、字幕の楽しみ方はいろいろなんだと、また一つ考え方に幅ができました。

 今回の字幕作りではインターネットのアプリが大活躍。映画で使用されたBGMをアプリに聞かせると、曲名を教えてくれます。字幕では次のように表出しました。
♪ Someone to watch over me(ジャズのピアノ曲)
♪ Caro nome(オペラ リゴレットより)
♪ Kaimana Hila(ハワイアン ソング)

 そして何より楽しかったのは、茅ヶ崎市内の見なれた景色が映し出されたこと。茅ヶ崎館を始め、市民球場周り、海岸、そして、今は無くなったスーパーの店舗など。茅ヶ崎を知らない人にもぜひ見て欲しい美しい映像でした。
「聴覚に障がいがある人もない人も一緒に映画を楽しむ」をテーマに催した上映会。
皆さんの心に何か思いを残していただけたでしょうか。
また、楽しい字幕付けに挑戦したいです。

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