「認知症の方の介護は、暗く、辛いことだけれど、せめてこの会にいる間は、にこにこと過ごそう」

こんな願いを込めて名付けられた「にこにこクラブ」は、30年を越えて活動しております。

介護保険が始まって以後、認知症の方を取り巻く社会環境は大きく変化しました。

しかしある日父や母が、そして夫や妻が「認知症です」と診断された時、家族は精神的に大きなショックを受けます。

どんな病気なのだろうか?どんな介護生活が待っているのだろうか?不安は募ります。こんな介護者の心のダメージは30年前も今も変わりません。

こうした介護者を支えているのが「にこにこクラブ」なのです。

お互いの心の交流、情報交換など、「にこにこクラブの介護者の会」の一日は介護者にとって貴重な糧となります。

ボランティアは、この日一日認知症の方をお預かりし、この「介護者の会」を支えています。

今日一日事故がないように。

認知症の方にもそしてボランティアにも楽しい一日であるように。

認知症の症状に定番はありません。それぞれに違った症状にどう対処していけばいいのか、今日もボランティアの模索は続きます。

生身の人間を相手にする厳しいボランティア活動ではあるけれど、そこから私達ボランティアが得ているものは限りなく大きいのです。

以前行った研修の折、一人のボランティアからの発言が今も心に残っています。

「どうしてか分からないんですけど、ここにくると私自身なんだかホワーッとして、暖かくなって・・・・。

どうしてなんだろうって考えているんですけど。だから来年もここでボランティア続けようと思って。私自身のために。」